スワップ取引の危険性

スワップ取引は、リスクヘッジの機能を持つものですが、 問題になる多くのケースの場合、スワップ取引を購入する当事者は、リスクヘッジのためではなく、 投資として、スワップ取引を購入します。

しかし、当然のことながら、スワップ取引を販売する側は、自分自身に有利な取引と認識しなくては、契約を締結しません。

そのため、一見、購入者に有利なように見える取引でも、 スワップ取引等のデリバティブ契約では、バランスをとるために特殊な条項が入れられることがあります。
このような条項に、ノックアウト・オプション、ノックイン・オプションがあります。

ノックアウト・オプションというのは、 「対象となる原資産が一定の価格水準に達すると(※ 当該契約等)が消滅する」ことを定めた条項のことであり、 ノックイン・オプションとは、「あらかじめ決められた期間(モニタリング期間または観察期間という)中に、 対象となる原資産が一定の価格水準に達すると発生する」条項です。 (引用は、日本弁護士連合会消費者問題対策委員会編「金融商品取引被害救済の手引(五訂販)409頁から、※は私)

これだけでは、抽象的ですので、  AとBの間で5年間、毎月、AがBに100万円を支払い、Bが1万ドル支払う通貨スワップ契約の例で、説明します。

契約締結時の今が、1ドル=100円の為替レートだとします。
ノックアウト・オプションの例としては、
例えば、為替レートが120円以上の円安になるとこの契約自体が消滅するというような条項が挙げられます。
また、ノックイン・オプションの例としては、
為替レートが90円を越える円高になった場合、 その為替レートが維持されている期間、契約の内容が、 毎月、AがBに200万円を支払い、Bが2万ドル支払うとの内容に変更するとの条項が挙げられます。 (それぞれ、例であり、内容的には、さまざまなものがあります)

為替レートが、120円と言うことは、1万ドル=120万円ということになります。
しかし、本来のスワップ契約では、Bは100万円と引き換えに、 Aに1万ドルを支払わなくてはならず、差額20万円は、Bの負担となります。
為替が円安になればなるほど、Bの負担部分は大きくなります。
しかし、上記のようなノックアウト・オプションがあれば、契約が消滅することになりますので、 120円以上の円安になれば、Bは負担を免れることになります。

他方、為替レートが90円と言うことは、100万円=約111万円ということになります。
この差額約11万円はBの利益となりますが、上記のようなノックイン・オプションが合った場合、 さらに、90円を超えるような円高になった場合、倍の200万円=2万ドルの取引を行うことになりますので、 Bの利益が倍になるとともに、Aの損失も倍になります。

リーマンショック以降の円高により、このようなデリバティブ取引を行っている会社等の損失が発生、 増大したのは、上記のようなノックイン条項の存在も原因の一つです。


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